こんにちは~!薬剤師のみやびです。
みなさんは「酸化マグネシウム錠」というお薬はご存知でしょうか?最近ではCMもやっているので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
この酸化マグネシウム錠、実はお薬を飲むタイミングや方法によって効き目も変わるんです。
今回は酸化マグネシウムをいつ飲めばいいか、理由を含めて分かりやすくお伝えしたいと思います!
酸化マグネシウムの市販薬
医療用では「マグミット」「酸化マグネシウム錠」がありますが、市販でも「酸化マグネシウム錠」は手に入ります。
今回はその中でもCMでおなじみの健栄製薬の「酸化マグネシウムE便秘薬」を例に用いたいと思います!
ちなみに私も常備薬としてこのお薬を置いています。
理由は医療用にもこちらの製薬会社から販売されている「酸化マグネシウム錠330mg「ケンエー」」という商品があり馴染みもあって安心して服用できるからです。
医療用と一般用は基本的には一緒ですが、一般用のほうが飲みやすく改良されてることが多いです。
こちらの健栄製薬のものは医療用よりも少し甘味(レモン風味)があり、飲みやすくなっています。
酸化マグネシウム錠の効き方と服用方法
このお薬は「酸化マグネシウムというミネラル成分が、水分を腸内に集めて硬くなった便を柔らかくし、お通じを促す」ことで便秘を解消してくれます。
そして酸化マグネシウム錠E便秘薬の添付文書には、効果的な服用方法として「就寝前(又は空腹時)にコップ1 ~ 2 杯の水又はぬるま湯で服用してください。多めの水で服用すると、より効果的です。」と記載されています。
ではなぜこういった飲み方をすると効果的なのでしょうか?
多めの水で服用すると効果的
先ほどもサラッと書きましたが、「水分を腸内に集めて便を柔らかくする」ということは、体の中に水分がないとうまく効果が発揮できません。
そもそも水分をとらないことが便秘の原因にもなります。
そしてスムーズにお薬を腸までとどけ、思わぬ副作用を引き起こさないようにする目的もあります。
多めの水で服用するというのは必ず意識してくださいね。
就寝前または空腹時に飲むと効果的
酸化マグネシウムはなぜ就寝前または空腹時に飲むといいのでしょうか。
ヒントは酸化マグネシウムを飲んでから、腸にたどり着くまでの過程にあります。
なぜ空腹時に飲むといいの?
だいたいの薬は食後服用と言われる中で、なぜ酸化マグネシウムは空腹時が良いのでしょうか。
その理由は、食事する前後の胃の状態にあります。
酸化マグネシウムを飲み込むと胃にたどり着きます。ここで胃酸と反応を起こしてAという物質になります。
胃を抜けて先に進んだAは、膵臓から出てきた膵液と反応を起こして、お通じを良くしてくれるB又はCという物質になります。
そしてみなさんもご存知の通り、食べたものは胃で消化されますよね。食事することにより胃の中にある胃酸が食べ物の消化に使われます。
ここでもし食後に酸化マグネシウムを服用してしまうと…?
胃酸によってAという物質になるのに、胃酸が少ないためAになることができなくなってしまうんですね。
Aという物質になれなければ、もちろん腸で働いてくれるBやCといった物質になることもできません。
そのためお通じ改善の効きもいまいちになってしまいます。
一方で空腹時は胃の中に食べ物が全然残っていない状態なので、たくさんの胃酸によってAという物質になることができます。
酸化マグネシウムの効果が十分に発揮されるのです。
就寝時は基本的に夕食を食べてから数時間後という解釈があります。
食後数時間経っていれば胃の中もだいたい片付いています。空腹時と同じような意味合いも持っているのです。
便は出やすい時間帯というのがあります。それは朝です。寝ている間にお腹が働き、朝には便が肛門近くに運ばれ、朝食という刺激によって便が出ます。
就寝時に酸化マグネシウムを服用することによって、寝ている間のおなかの活動と一緒になって便を出しやすい状態を作り出してくれるんですね。
そのため酸化マグネシウムの効果が十分に発揮できない条件として、
- 就寝直前まで満腹状態
- 朝食をとらない
- 生活習慣が乱れている
などが挙げられるので、心当たりがある方は注意が必要です!
さいごに*便秘と薬
酸化マグネシウム錠の効果的な飲み方はお薬の添付文書に書いてある通り「多めの水で、就寝時または空腹時に服用する」ですが、お腹の中でどういう働きをするかを知ることで、意識が高まりより効果的に服用することができます。
最後に、酸化マグネシウムは比較的安全と言われていますが、添付文書に記載されている量以上の量を服用したり、腎臓の働きが弱っていたりすると、思わぬ副作用を起こすことが近年報告されています。
安全に服用するために添付文書は必ず一度は目を通してくださいね!
そして何かあれば是非まちの薬剤師に相談してみてください(^^)
それではまた~!